お正月と言えばおせち料理、その定番メニューはお雑煮
今年初めて博多雑煮を食べたので、博多雑煮について調べてみました。「具だくさんの博多雑煮」ついての雑記です。
各地方によって切り餅か丸餅かもしくはあん入り餅、みそ仕立てやおすましから中に入れる具材までバリエーション豊かなお雑煮、
時代とともに変わった具材や雑煮のいわれなど華やかな具だくさん博多のお雑煮についての簡単ですが歴史をたどってみます。
雑煮の歴史
雑煮は室町時代、京都の公家あたりから始まったのではないかと言われています。
当時のお雑煮は「伊勢家礼式書」に、もち・丸アワビ・いりこ・焼きぐり・山のイモ・大豆・汁・たれみその七色とあり、みそ仕立ての雑煮だったようです。
時代は変わり江戸時代になると雑煮が各地域の年中行事となり庶民にも普及した記録が残っているそうです。
江戸時代の博多雑煮の具は12品
丸餅・干しアワビ・いりこ・するめ・シイタケ・ヤマイモ・サトイモ・昆布・ゴボウ・大根・干したカツオ
という内容でひとこと博多雑煮といっても武家や商家によって異なっていたようです。
今では出世魚のブリが使われていますが、大正以前はタイやアラが主流だったようです。
タイはめでたい、アラは姿も味も値段も魚の王者からだったのかもしれませんね。
深みある焼きアゴだし
博多雑煮の特徴はだし汁に焼きアゴや昆布に干しシイタケを使います。
アゴとは10センチほどのトピウオを干したもので、長﨑県の五島地方で多く作られています。
昔は捨てるほど捕れていて田畑の肥料などにも利用されていたそうです。ある時もったいないので焼いて煮だししたところ、
その汁が絶品といえるほど美味しく雑煮に使うようになったといわれています。
焼きアゴや昆布などの重厚なだしだと味の強いブリも負けませんよね。
くりはい箸と材料はひと椀ずつ竹串にさす
昔は博多雑煮を栗の枝を削った新しい箸で食べていました。
正式には栗の木の皮付きの「くりはい箸」といい、漆負けを防ぐためとか「繰りあいがよくなる」「新年も繰り合い(やりくり)」縁起の良い意味が込められています。
そしてたくさんの具材を入れ忘れなく、ひとお椀にすべての具材を盛ることができるよう竹串にさして準備しておく伝統があります。
お雑煮は縁起がいいものですから具の数がもれることがなく大人数分こしらえていた博多ごりょんさんの知恵なんでしょうね。
博多雑煮レシピ
一般的な博多雑煮レシピ(4人分)です、作ってみたい方、参考になりますように♡
【すめ(だし汁)】
水・・・1600cc
焼きアゴ・・・4匹
昆布・・・10~15センチ×1枚
干しシイタケ・・・4枚
【材料】
丸餅・・・8個
ブリ・・・4切れ
サトイモ・・・大1個
ニンジン・・・1本を三分の一
かまぼこ・・・紅白4切れ
かつお菜・・・菜1枚(4切れ)
干しシイタケ(すめで使用した分)・・・4枚
長細く切ったするめ、昆布・・・各4枚
【調味料】
薄口醤油
塩、みりん
それぞれ適宣
【すめ(だし汁)の作り方】
①内臓を除き洗った焼きアゴと昆布を前日の夜にから水にひたしておく。
② ①を火にかけて沸騰したらすぐにアゴと昆布を取り出してこす、昆布は捨てずに取っておく。
③ ②に水に戻した干しシイタケの漬け汁を加える。
④ ③を沸騰をさせ、薄口醤油、塩、みりんで味をととのえる。
【具の準備】
①ブリは前日に塩をふり、使う前に下ゆでする。
②ニンジン、サトイモは食べやすい大きさに切り下ゆでする。
③かつお菜は先に下ゆでし、細かく巻いてから水気を絞り、2セインチの長さに切る。
④かつお菜・ニンジン・サトイモ・シイタケ・ブリ・かまぼこを竹串にさす(1本の竹串には1人分)
【雑煮の仕上げ】
①仕上げたすめの鍋に竹串に刺した具を入れてひと煮立ちさせ味を染み込ませる。
②別の鍋に湯を沸騰させ、だしに使った昆布を敷いて餅を入れる。餅は浮いてきたら食べごろ。
(焼餅はオーブントースターで焼きめをつけて鍋に入れる)
③わんに少しすめを入れ餅、具を入れる(わんの底に餅がつかないようにすめを先に入れる)竹串に刺した具はこのとき外す。
④細く切ったするめと昆布をのせてすめを注ぐ。(するめと昆布は元旦だけ)
参考資料と引用書物・・・博学博多etc
福岡市内で育ったワタシは実家の雑煮は「博多雑煮」ではなく、もち・かしわ(鶏肉)・かつお菜・かまぼこのシンプルな具材でシイタケ・かしわに醤油ベースだしです。
昨年までブリ入りの博多雑煮は苦手と思い込んでいて、博多雑煮のきっちりとしたすめ(たし汁)はブリの臭みなどはありませんでした。
そしてかつお菜も全国ポピュラーな野菜と(ワタシのような)思い込み博多人もいるのではないかと思います。