「着物リメイク」と聞くと、どんな洋服を思い浮かべますか。
ゆったりとしたワンピースや、和風のデザインを想像される方も多いかもしれません。
でも、私が目指している着物リメイクは、少し違います。
着物リメイクはなぜ野暮ったく見えることがあるのか
ワタシは、着物リメイクを「野暮ったく見せないこと」が目的なのではなく、
洋服として美しくあることを大切にしています。
着物リメイクが野暮ったく見えてしまうことがあるのは、着物の柄を生かそうとするあまり、デザインそのものが後回しになってしまうことがあるからです。
「ゆったり着られること」を優先すると、自然とワンピースなどのシンプルな形が多くなります。
もちろん、それが悪いわけではありません。
ただ、着物を洋服に仕立て直すだけでは、今の暮らしやファッションに自然になじむ一着になるとは限らないのです。
私は、まず洋服として美しいシルエットであることを大切にしています。その上で、着物ならではの柄や風合いを生かすことが、本当の意味での着物リメイクだと考えています。
着物だからといって、和風を強調する必要はありません
着物リメイク=今の暮らしに合う服。私はそんなスタンスで制作しています。
着物だからといって、和風を強調しなければならないとは思っていません。
むしろ「着物らしさ」を意識しすぎると、デザインの自由度が狭くなってしまうことがあります。
着物を「着物」としてではなく、一枚の美しいファブリックとして捉えています。
だからこそ、和風に縛られず、今の暮らしに似合うデザインを考えることができるのです。
そうするとシルエットやライン、着心地など、「洋服」として本当に大切なことが見えてきます。その上で着物ならではの柄や質感が生きると、日常の暮らしにも自然になじむ一着になると思います。
教室で大切にしていること


現在は、着物リメイク教室と一閑張り教室を開いています。
私が一番うれしいのは、生徒さんが作品を完成させた瞬間の笑顔です。
「できた!」という達成感や、「思っていた以上に素敵に仕上がった」という喜びの表情を見るたびに、この教室を続けていてよかったと感じます。
制作では、「めんどくさいことをするには理由がある」ということをよくお話ししています。
今は「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が当たり前になりましたが、ものづくりには、時間をかけることでしか生まれない美しさがあります。
丁寧にひと手間を重ねた作品は、その分だけ完成したときの喜びも大きくなります。
教室では技術だけではなく、着物や素材にまつわる歴史や伝統などの話も交えながら、楽しく学べる時間を大切にしています。
また作品だけではなく、「作る時間そのものが思い出になる教室」でありたいと思っています。
(上記の写真は生徒さんの作品です・帯から作ったトートバッグ&一閑張りバッグ)
思い出を残すだけでは終わらない着物リメイク
「思い出をしまっておく」のではなく、「これからも一緒に暮らしていく一着をつくる」。
それが、私の着物リメイクのモットーです。
「この着物や帯を、どんなふうにリメイクすればいいのか想像がつかない。」
ご相談に来られるお客様から、よくそんな言葉をいただきます。
それも当然だと思います。着物リメイクは、まだまだ日常に馴染みのあるものではありません。
着物はチュニックやワンピースになるのだろうか。
帯はバッグとして使えるのだろうか。
実際に形になるまで、イメージするのは難しいものです。
だからこそ私は、お客様の思い出や暮らしに寄り添いながら、一緒に新しい形を考えていきます。
私が目指しているのは、「着物リメイクだから」と特別視される洋服ではありません。
着物で作ったことを知らなくても、「素敵な洋服ですね」と自然に言っていただける一着。
そして、その一着を袖に通すたびに、大切な思い出が今の暮らしの中で息づいていく・・・
着物リメイクは、新しい服を作ることではありません。
思い出を、これからの暮らしへつないでいくことです。
私は、そんな一着をこれからも作り続けていきたいと思っています。
もし、ご自宅に眠っている着物や帯がありましたら、その一枚が新しい思い出へとつながるお手伝いができれば幸いです。

